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専門家がお勧めするクラフトビールを量り売りでテイクアウトする方法

新型コロナウィルスによる外出自粛の影響で、クラフトビールの量り売りが注目されている。特例により期限付き酒販免許を取得しやすくなり、ブルワリーやビアバーでは量り売りによる家飲み需要に対応しやすくなった。

今回のテーマ「クラフトビールの量り売り」は、新しいテイクアウトの販売形態だ。まだ聞きなれない言葉で知らない人も多いはず。多くの人にクラフトビールに興味を持ってもらいたいと思い解説した。

クラフトビールの量り売りとは?

クラフトビールの量り売りとは、客自身がブルワリーやビアバーに専用容器を持ち込み、好みのビールをその場で充填してもらい持ち帰るサービスのこと。充填機などの特別な装置は使わず、タップ(ビールが出てくる蛇口)から直接注ぐ。

一般的な瓶ビール・缶ビールと違い、量り売りはビールのフレッシュさを味わうことを目的にしているので、持ち帰った当日もしくは翌日までに飲むことを推奨している。

量り売りは、テイクアウトできる種類の多さにメリットがある。ナイトロ(窒素充填)など特殊なビールを除き、タップに繫がってさえいればほとんどのビールが持ち帰り可能だ。

量り売り容器には、リユースとワンウェイタイプがあり、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶと良いだろう。

  • リユースタイプ:グラウラー(Growler)
  • ワンウェイタイプ:クラウラー(Crowler)、ペットボトル

グラウラー(Growler)とは?

量り売りで最もポピュラーな容器がグラウラーだ。ビールを入れる専用の水筒のことで1L(32oz)・2L(64oz)のものが多い。

保冷機能が有るものと無いものがある。保冷機能無しは、グラスやステンレス製の容器で価格も比較的に安い。瓶タイプのものだど1,000円以下で購入できるのも魅力的だ。

一方、保冷機能付きのものは、素材が真空ステンレスでできており、やや高価でスタンダードなものでも8,000円前後する。

このタイプは、ミニCO2ガスを取り付けタップから注ぐ高機能タイプ、ブランド品など、様々なラインナップがある。

保冷機能付きグラウラー

機能による使い分け

グラウラーを購入する際には、用途による使い分けをお勧めする。

保冷機能付きタイプは、電車で1時間以上など遠い店を利用する、キャンプ場などに遠くに持っていくなど、持ち運び時間が長いユーザーにお勧め。

一方、保冷無しのタイプは、機能面では劣るが冷蔵庫で冷えるメリットをいかした使い方が便利である。馴染みの店が近くにある場合は購入後に、2時間ほど家の冷蔵庫で冷やせば、さらに美味しく飲むことができる。ただし、夏など1時間以上の持ち運びには適さない。

容器の取扱注意点

グラウラーはビール専用にして他の飲料は決して入れてはいけない。コーヒーやハーブティなどは匂いが移るので絶対ダメ。

もしスティンや臭いが取れないで困っている場合は、濃度を薄めた次亜塩素酸ナトリウム溶液(キッチンハイター)を使い短時間で洗浄する(腐食するので長時間の漬け置きは厳禁)。

洗浄後は、良く水を切り乾燥させ雑菌の繁殖を防ぐことを徹底してほしい。店によって洗浄サービスを提供していることもあるので、利用してみてもよいと思う。

高価なグラウラーを購入するか迷ったら

購入を迷っている方は使用頻度を考えたい。例えば月1回程度の使用であれば買う必要はないだろう。店舗で用意しているワンウェイ容器の使用をお勧めする。

容器の耐久性は高いが、ビールの漏れを防ぐパッキンなど定期交換が必要なパーツがある点にも気を付けたい。消耗品などアフターフォローをしてくれる店を通して購入することをお勧めする。

グラウラーを持たないユーザーも量り売りを利用できる。容器代に100円前後の追加コストがかかってしまうが、缶・ペットボトルに詰めてくれる店も増えてきた。基本的に容器は使い捨てだ(衛生管理上リユースは好ましくない)。

Crowler(クラウラー)

最近ホットな量り売り方法が、Crowler(クラウラー)だ。その場で、好みのビールをアルミニウム缶(一般的に500ml)に詰めてくれる。

瓶と違い缶は、ビールにとって大敵な光を完全にシャットアウトする。とはいえ量り売りの場合、溶存酸素量の観点から購入後数日以内に飲むことをお勧めする。この点は他の容器と変わらない。

その場で缶シーマーを使い缶に蓋をする臨場感を味わえる。作業を見るだけでも面白いし、見た目もクール!今後、クラウラーを提供する店も増えてくるだろう。

クラウラーの動画をご覧ください

ビール専用ペットボトル

茶瓶と同等の遮光性能があるクラフトビール専用ペットボトル容器(500ml)がある。缶シーマーなど設備もいらないこと、小ロットから容器の仕入れができるため導入している店が多いようである。

一番安価な容器であるが、量り売りはすぐ飲んでしまうため機能面に問題はない。

量り売り容器の選択方法

以上の容器の特徴を踏まえて、ユーザーのライフスタイル別に量り売り推奨方法をまとめた。持運び時間×使用頻度という2軸で判断すると以下の図のようになるので参考にしてほしい。

専門店こだわりの注ぎ方

注ぎ方にも専門店のこだわりがある。その一部を紹介する。なお、ここに書いてあることが必ずしも正解ではなく個々のお店のこだわりがある点を留意してほしい。

1.容器の殺菌・洗浄

持ち込み容器は自身で洗浄するのだが、店で用意するペットボトルは、毎回きれいな水ですすぎをしてくれる。クラウラーはアルコールなどで殺菌・すすぎをする。清潔な容器にクラフトビールを注ぐことは飲食店として基本的な心構えなので、専門店では安心して飲んでもらいたい。

2.CO2パージ

クラフトビールにとって酸素は大敵。ビール液中に溶け込んでいる酸素量を溶存酸素(Dissolved Oxygen:DO)といい、PPB(Parts Per Billion)という単位で表す。好ましいとされる指標は、DOを50PPB以下(推奨は10PPB以下)に抑えることを求められる。

タップから注ぐ際に酸素を巻き込まないように予め容器にCO2ガスを満たしておく。すぐに飲んでしまうビールであっても、お客さんに美味しく飲んでもらいたいと思う専門店ならではの気配りだ。

3.容器いっぱいに注ぐ

わざと容器からあふれ出るくらいビールをなみなみ注ぐ。お客さんにとってたくさん入れてくれることは嬉しいが、サービスで多く入れているわけではない。酸素混入リスクのあるヘッドスペース最小限にして、持ち運びの際の振動により溶存酸素量増加を防ぐ目的がある。

4.保冷剤

夏場など保冷機能が無い容器を使う場合は、保冷剤を適宜使うことをお勧めする。店側が保冷剤をくれる場合もある。ただサイズは小さく、あくまで店側の心配り程度の物と考えてほしい。資源保護の観点からも使い捨てをやめ、大きいサイズの保冷剤とクーラーバックを持参してみよう。

まとめ

もともと海外では量り売りは一般的であったが、コロナ渦の影響もあり日本でもクラフトビールの家飲み需要がクローズアップされるようになった。

大ロット製造が要求される一般的なパッケージビールではなく、少量製造のクラフトビールでも持ち帰りできるサービスである。量り売りは、ローカルブルワリーやビアバーにとって将来性のあるサービスといえるだろう。

ビールマニアにとってワクワクする高機能なグラウラーもあるが、もっと簡単に容器を購入せずとも利用できる方法もある。今回の記事をきっかけに、量り売り文化の認知が広がり、クラフトビールファンが少しでも増えることを期待したい。